コンバットレスキュー

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「……ら、ラリッサ……わ、私(わたくし)を置いて行って下さい、こ、このままでは貴女までがロジナの獣どもに」 「だからこそだ、だからこそ貴女を置いてなど行けない」 サーシャの言葉を受けたラリッサは言下に拒絶の言葉を返し、サーシャがそれに対して言葉を返そうとするのを制する様に言葉を続ける。 「……これまで何人もの戦友達がロジナの獣どもに汚された。そんな獣どもの前に貴女を残しては行けない、幸い、私達を追っていたロジナの獣どもが使役している魔狼の気配は遠ざかったままだ、本来は貴女の脚を治療した方が良いとは思うが今は出来る限り距離を稼いでおきたい、無理強いになってしまうが我慢してくれ」 ラリッサはひたひたと迫ってきていた筈の残党狩部隊の気配が突然遠ざかった事を不審に思いながらもサーシャに声をかけ、サーシャは暫く唇を噛んだ後に不承不承といった様子で頷き、その後に言葉を続けた。 「……貴女には、何時も何時も助けられてばかりですわね」 (……ラリッサ・シャルンホルスト貴女は私が抱いている貴女への劣情を知っても私を助けて下さいますか?ロジナの獣どもに汚し尽くされる前に貴女に汚し尽くされたい等という浅ましい劣情を抱いている私を?) 「……気にするな、戦友なのだから当然だ」 (……サーシャ・フォン・グナイゼナウ、貴女は、夢にも思っていないだろうな、ロジナの獣どもに汚されてしまう位ならいっそ私が貴女を汚し尽くしてしまいたいとなどと言うふしだらな情欲を抱いているとはな) サーシャとラリッサは相手に向けて抱いている劣情を隠しながら会話を交わした後に懸命に逃亡を続けたがサーシャの脚の状態は更に悪化を続け、ラリッサとサーシャが焦燥に狩られながらもがく様に進んでいると前方から何者かの気配が近付いてくるのが感じられた。 ラリッサとサーシャは近くにあった木陰に身を潜めて近付いてくる気配の様子を窺ったが、密着する程近寄り合った為に引き締まり成熟した互いの身体の感触を弥が上にも意識させられてしまう。 触れ合った互いの身体はしっとりと汗ばみながらも熱を帯び、ラリッサとサーシャが必死になってその事から気を逸らしていると前方から聞き慣れた声が響いてきた。 「……安心しろっ私は第八騎士団長のミランダ・フリートラントだ」 「第四騎士団に所属していたハンナ・ヴァイセンベルガーです救援に参りました」
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