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「……っう……くっううっ」
「……い、イライザ様」
辛うじて耐えきったイライザだったが鋭敏さを増した全身に情け容赦無く浴びせられた刺激によって腰砕けにされて崩れ堕ちてしまい、エリーゼが慌ててイライザの所に駆け寄るとイライザはゼエゼエと荒い呼吸を続けながら愛する女(ひと)を虚になりかけた瞳で見詰める。
「……し、心配する、な……え、エリー……ゼ……ッン……こ、これくら……ンックッ……な、なんでもな……ンッ」
エリーゼに向けて気丈に声をかけるイライザだったが蕩けかけの声と時折震える身体はその努力を裏切り、エルフ兵達と優男風の魔導士は屈服寸前のイライザを舐め廻す様に見詰めた後に野卑た笑顔で談笑しながら遠ざかって行く。
「……い、イライザ様」
「……そんな……顔……ンッ……しないて……エリーゼ……ンッ……わ、私は……嬉し……ンックッ……お……お前を……ンックッ……護れ……て……だ……だか……ら……な……泣かない……で」
エリーゼが泣きそうな顔でイライザに呼びかけるとイライザは気丈な笑みを浮かべて応じながら立ち上がり、エリーゼは零れそうになる涙を懸命に押し止めながらイライザを見詰める。
(……お願いです……誰でも良い……本当に誰でも良いから……イライザ様を……イライザ様を助けて下さい……その為なら私はどうなっても構いません……誰でも良い……神様でも……悪魔でも……誰でも良いから……イライザ様を……助けて……助けて下さい)
矜持と心が壊されかけへし折られかけている最愛の女(ひと)の姿に助けを請うエリーゼ、彼女はまだ知らない、彼女の願いが既に受諾されている事を、屈服寸前に追い込まれながらも愛する女(ひと)を護り絶望的な抵抗を続けるイライザ、彼女もまだ知らない、意地とエリーゼへの想いだけで辛うじて続けられている絶望的な抵抗が実を結ぶ事を、そして2人を嬲り続けていた残党狩部隊、愚かな彼等もまだ知らない、自分達が魔王のダンジョンと言う地獄に誘われ、その地獄に食らい尽くされてしまう事を……
陣営ごと壊滅した残党狩部隊本隊の敗残兵が味方と接触した頃、魔王アイリスは逃亡中ヴァイスブルク伯国の残党の救護を命じた。
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