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マスタールーム
ミランダ達救護隊によって救出されたラリッサとサーシャを含めた5人は救護隊の誘導によって昼前にダンジョン周辺へと到着し、それを確認したアイリスは転位魔法によって彼女達をダイニングに転位させ、予想外の事態に戸惑うラリッサ達に対して詰めていたアイリーンの侍女達が山鳩のグリルに果物と言う食事を振る舞う。
碌な食事を摂れないまま逃走を続けていたラリッサ達は戸惑いながらも出された食事にかぶりつき、ミランダと途中から姿を現したミリアリアが食事をするラリッサ達にこれまでの経緯を説明した。
女魔王アイリスの存在と彼女の製作した異形のダンジョン、魔龍との盟約や異形の軍勢による残党狩部隊本隊への襲撃、ミリアリアとミランダから告げられた話の内容は予想の斜め上を行く物であり、それを聞きながら食事を終えたラリッサ達はその内容に驚愕しながらミリアリアに案内されてマスタールームへと向かった。
案内されたラリッサ達がマスタールームに到着するとそこではアイリスがアイリーンから世界の情勢説明を受けている所であり、ラリッサ達の入室に気付いたアイリスはそれを中断すると穏やかな表情で立ち上がってミリアリアとラリッサ達を出迎える。
「……あたしのダンジョンへようこそ、あたしはアイリス、貴女達が言う所の魔王という存在でこのダンジョンの主よ、宜しく」
「……旧ヴァイスブルク伯国第二騎士団所属のラリッサ・シャルンホルストです」
「同じく第二騎士団所属のサーシャ・フォン・グナイゼナウです」
「第三騎士団所属のティアナ・フォン・ストラスブールです」
「同じく第三騎士団所属、セレーナ・ダンケルクです」
「だ、第十騎士団所属、アレリア・サエッタです」
アイリスの挨拶を受けたラリッサ達は戸惑いながら自己紹介を行い、それを聞いたアイリスは鷹揚に頷いた後に言葉を続ける。
「取りあえず貴女達を救出して匿わせて貰ったけどそれを恩に着せたりするつもりは無いから安心して良いわ、このダンジョンは来る者拒まず去る者追わずが基本よ、だから貴女達は取りあえず身体を休め、回復してから身の振り方を考えれば良いわ」
「……は、はい、ありがとうございます」
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