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「……えっ……あっ……そのっ……あ、ああっ」
ミリアリアが脊髄反射の様にアイリスの言葉に応じてしまった自分に対して1人ツッコミを行っているとアイリスが蠱惑の笑みと共に語りかけ、ミリアリアは暫くもごもご口を動かした後に真っ赤な顔で頷いた。
アイリスとの約束を終えたミリアリアは真っ赤な顔で立ち上がるとライナ達を呼ぶ為に退室し、その背中を見送ったアイリスはミリアリアが退室した事を確認すると蕩けた笑みを浮かべた。
「……フフ、御料理の時から特上の催淫魔法と感覚増幅魔法をかけとかなきゃ駄目かしら、でも、そんな物かけなくても悪戯されただけでとろとろに蕩けちゃう自信もあるし、フフ、悩ましいわね」
アイリスが蕩けた笑みを浮かべて呟いているとテーブル上のベルが2度澄んだ音を響かせ、その音を聞いた瞬間アイリスの蕩けた笑みが消え去り、その変わりに魔王に相応しい凄絶な笑みが浮かぶ。
「……さて、何にしても先ずは近付いて来てる屑どもを叩き潰さなきゃならないわね」
アイリスはそう呟きながら眼前に使い魔から送られてきた残党狩部隊の映像を表示させ、スラリとした美脚を軽く組んで冷たい眼差しで前進を続ける残党狩部隊を見詰めた。
残党狩部隊
ダンジョンへと誘導されている事も魔王により監視されている事にも気付かぬまま前進を続ける残党狩部隊、意気揚々と続けられていた彼等の前進は姿を現したダンジョンの入口によって停止させられた。
残党狩部隊の将兵は突然出現したダンジョンの入口に一瞬戸惑いの表情を浮かべたが入口前に真新しい野営の痕跡を発見した事によってその表情は直ぐ様ギラついた物へと変化し、更にダンジョン入口付近に落ちていたヴァイスブルク伯国騎士団の徽章の発見によってギラついた表情が喜色へと変化する。
中隊長が随行する魔導士に命じてダンジョンの概況を調査させるとそのダンジョンは形成されて1週間と経っていない事が確認され、中隊長はその報告と魔狼がこの先に逃亡中のエルフの気配を感じていない事から考えて逃亡中のエルフが逃走の一助を求めてダンジョンに潜入したと結論づけてダンジョンへの侵入を決断した。
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