プロローグ

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「ゆ、幽霊。」 「惜しいけど違う。」 さっきの続きだ。 どうして人間が何も使わずに空中に浮くことができるのか。 簡単だ。 答えは人間ではないから。 これに尽きるであろう。 しかも今の話からすると幽霊ですらないらしい。 そこまで考えたところでふっ、と視界が暗転した。 どうやら脳と精神が限界を超えたらしい。 リアルな方の現実逃避だろう。全くもって笑えない。 視界が暗くなる直前、ボケっとした男の顔が見え、その後にふわりと背中に慣れ親しんだベッドの感触を感じたところで完全に意識が飛んだ。 どうかこれが夢であってくれますようにと思いながら、私は再び眠りについたのだった。
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