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死神はアルバイトをする。
やっと終わった。
そう思いながら伸びをする私に、背後から近づいてきたカンナがぽん、と私の肩を叩いた。
「お疲れ。」
「カンナもお疲れ。」
「これで晴れて夏休みだよ。」
「本当に。」
いくつになっても、テストが終わると開放感というものは付いてくるものだ。
本当は、テスト勉強なんてしなくてよかったのかもしれない。
どうせあと数十日経てば居なくなってしまうのだから。もっと有意義なことに時間を使うべきなのだろう。
そんな風に思う一方で、死ぬことへの恐怖というよりは、まだ生きていることへの義務感から何となく日常を過ごすべきなのかと思うこともある。
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