本(文庫本)の話

2/30
40人が本棚に入れています
本棚に追加
/574ページ
 微妙なニュアンスが伝わるかどうかは別問題ですが、たとえば、そのままだと明らかにおかしい翻訳箇所を見つけたとします(具体的には、日本語では主語を省いていても意味が通じるところなど)。 (例) 元のテキスト: 〝僕とミッキーとヴィクは年が近く、家が近所なこともあって、いつも一緒につるんでいた。三銃士仲間だ〟 翻訳結果: Me, Mickey and Vic were close to the year, and the house was a neighborhood, so I was always hanging together. I'm a three musketeer. 〝いつも一緒につるんでいた。三銃士仲間だ〟の主格が「I=私」になってしまっています。  でも、ここでは僕とミッキーとヴィクの三人を指していなければなりません。  なので、日本語の言い回しを少し変えてみます。 変更後のテキスト: 〝僕とミッキーとヴィクは年齢が同じくらいで、僕たちの家も近所だったから、僕らはいつも一緒につるんでいた。僕らは三銃士仲間だった〟  どんだけ「僕ら」入れればいいんだ(笑) でもこれでようやく、 翻訳結果: We were always together, as I, Mickey and Vic were of the same age and our home was a neighborhood. We were three musketeers. 主格が「I」からちゃんと「We」になってくれました。 リアタイでこんなふうに確認・変更できるのはかなりいいですね。
/574ページ

最初のコメントを投稿しよう!