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だから、
「分かった。その時は私がこの子達を受け取ろう」
と言ってしまった。
聡明な彼女の事だからそのリスクも覚悟も承知の上なのだろう。
実際、あの事件が起こってしまってあたしがあの子達の師となってしまった。
皮肉な運命だ。
本当は、あの子達は私の弟子になるべきでは無かったのに。
両親のことをあの子達に話すことはどうしても出来なかった。
怖かったのだ。
両親を守ることが出来なかった私を責めるのではないのかと。
世界三大魔術師の1人と言われても人1人救えなかった無能で臆病な人間だ。
でも、だからこそあの双子には強く生きて欲しかった。
どんな困難に見舞われようとも強い心と体を持った人間になって欲しかった。
自分の体と心に生きていける人になって欲しかった。
それが、あの子達の両親の願いだったから。
「あの子達は強い。だから、安心して天国で見守ってやれ。アンタらの意志と想いはちゃんとあの子達に届いている」
空にいる2人の弟子に優しく語りかけた。
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