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「あなた。娘の前でその話は止めてもらえます? アリシアが可哀想ですよ」
「そうは言ってもな。このまま改善されなかったら大変だぞ? ロクに働きどころも見つからんだろうし、結婚だって……」
「いいえ。この娘に限ってそんな事は有り得ません。社会勉強の為に……そうね、お花屋さんに少しお勤めした後は、きっと素敵な旦那さんと結ばれるハズよ。そうよね、アリシア?」
「え、ええ。まぁ……そーいう感じでっす」
パパがキツめに言うのは、私の将来を心配しているから。
このまま大きくなられては大問題だと、常日頃気を揉んでるらしいです。
ママが絵空事めいた未来を語るのも、やはり私の行く先を気遣っているから。
妄想の世界よりも現実の方が素晴らしい事を、具体的に教えてくれるのです。
どっちも、パパがこっそり書いてる日記を盗み見て知りました。
こんな流れで知っちゃってごめんなさい、と思います。
そして、どうしようもない娘に育ってしまった事についても。
私はなぜか、妄想癖が激しすぎて困っています。
発端について記憶はありませんが、物心ついた頃から既に始まっていた気がします。
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