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大陸に名を轟かせる女剣士になったつもりで、ズンズンと歩んで行くのでした。
「おい、そこのガキ。止まれ」
「お前だよ。他に誰が居るってんだ」
突如草むらから現れた2人組の男に呼び止められた。
無視して通り過ぎようとしたが、難しくある。
行く手を塞ぐようにして連中が立ちはだかったからだ。
女性を若く喩えるのは良いとしても、ガキ呼ばわりとは礼儀知らずな事だ。
いや、躾のなってない犬、と言うべきだろうか。
「こんな所にノコノコと独りでやって来るたぁ、ずいぶんマヌケなガキだ」
「手間が省けて助かるってもんだ。最近は見回りどもの目がうっとおしいからな」
「さぁ、痛い目をみたくなきゃ、大人しく付いて来るんだ」
「安心しな、殺しはしねえよ。これから立派なお屋敷に行ってキレェな服着せてもらってよ、おじ様連中と遊んでもらうだけだからなぁ」
「コイツはまだまだガキだが、見た目は悪くねぇ。結構な高値で売れるだろうさ」
「貴様ら。言い残すことはそれだけか?」
「な、なんだと!?」
たった一言で色をなすとは、やはり躾がなっていないと確信する。
立ち振る舞いも素人そのもの。
間合いすら心得ず、ただ単純に腰のものを抜いて構えただけなのだ。
これは欠伸を堪えるのに苦労しそうだと思った。
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