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次の日は普通に学校に行った。通学の電車から朋美と一緒である。朋美は何事も無かったかのように普通に接してくれた。クラスに入ると香苗がいたのでいつものように挨拶をした。
「香苗、おはよう」
香苗は優香の声が聞こえないかのように横を通り過ぎていった。そしてそれは他の子達も皆そうだった。優香は皆に無視されているらしい。いったいどうして。優香は悲しくなって泣いてしまいそうになった。しかしここで泣いては負けである。それから何日もの間、優香は皆に無視されながらも学校とアルバイトを頑張った。その中で朋美だけは相変わらず変わらない調子で話しかけてくる。冷たい風が吹き荒れる中、二人はアルバイト先のハンバーガー屋さんに急いで向かっていた。
「優香ー。聞いて。また胸が大きくなったの。優香はどう?」
朋美が自分の胸の方を見ながら優香の胸の事を気にする。そう言われてみれば優香の胸も少し大きくなった感じだ。
「私も大きくなったかも。ブラが最近小さいの」
「マジ?ハンバーガーのおかげだね」
「そのせいで無視されてるけどね」
「何?」
「何でもない」
「私、これからアルバイト休みの日もハンバーガー食べようかな」
「えー。それは私は無理。今でも飽きているのに」
「早く胸が大きくなりたいもの」
朋美が真剣な顔で話す。
「それにね。彼氏ができそうなんだ」
「えっ?誰?」
「店長の後藤さん」
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