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「優香の机にあの手紙入れようって言いだしたのは朋美だよ」
「嘘。何で?」
「胸が大きくなりたいから、無理やり朋美にアルバイトしようって頼んだでしょう」
「そんな事ないよ。最初に言い出したのは朋美なんだから」
「そうなの?どちらでもいいけどね。それでウザいから無視しようって事になったの」
「でも朋美は最初喋ってくれたよ」
「アルバイトが一緒だから我慢してるって言ってた」
香苗はパンを食べ終わると、席を立った。香苗の言う事が本当なら驚きだ。朋美はそんな素振り全然見せなかった。優香は悔しかったが、今は高校3年生、受験生である。勉強で朋美に負けないで頑張ろう。涙が出そうになるのを必死で堪えた。
大学1年生の春の事である。優香は念願の大学に合格して、学校生活をとても楽しんでいた。憧れのキャンパスの横は並木道で同じ大学の学生達が優香の横を通り過ぎる。その中で、大学に落ちて浪人生活をしているという朋美が前から歩いてきた。店長と一緒である。優香はビックリした。朋美に会ったからではない。朋美の胸が異様なまでに大きく膨れていたからだ。
朋美、大丈夫かな。
優香の心配をよそに、朋美は店長と仲良さそうに通り過ぎて行ったのだった。
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