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次の日、学校が終わると二人は学校の近くのカフェからハンバーガー屋さんに電話をした。電話をかけたのは朋美だ。
「はい。明日面接ですね。解りました。5時に二人で行きます」
朋美が電話で答える。
「島崎朋美と武田優香です。武田さん?今代わりますね」
「優香、変わってだって」
朋美がスマホを差し出す。優香はスマホを受け取って挨拶をした。
「武田です。明日の面接宜しくお願いします」
電話口の相手は男性の人で優しそうな感じの話し方であった。
「履歴書を持ってきて下さい」
「はい。解りました」
「では。明日待っていますね」
「はい。宜しくお願いします」
電話を切るとホッと息をついて朋美に話かける。
「優しそうな感じの人だったよ」
「ねー。私も思った」
「明日、面接かー。頑張ろう」
二人はホットココアを飲み終えると駅に向かった。優香は面接が上手くいきますようにと心の中で祈った。
次の日は面接である。終業のチャイムが鳴ると同時に優香は朋美の所に向かった。朋美はクラスの女の子と一緒に話をしていて、話が盛り上がっているようで優香が近くに来たことに気がついていないようだった。
「どうしても一緒にって言われちゃってさー。ちょっとウザいよ」
「朋美、後ろ」
「あっ優香。気がつかなかった。何時からここにいたの?」
「今来たとこだよ」
「そう。気がつかなかった」
「何の話?」
「何でもない。面接急ごう」
朋美はそう言うと帰る為、学生鞄を机の上から取り上げた。
ウザいって誰の事だろう。
優香は聞きたかったが、上手く切り出す事が出来なかった。
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