45人が本棚に入れています
本棚に追加
そうしている内に目的のハンバーガー屋さんに着いた。このお店はチェーン店で明るい品の良い接客が売りである。店内はいつものように沢山のお客さんで賑わっていた。二人で予め約束をしていたとおり、お店に入ると朋美が店員の人に話かけた。
「面接に来た島崎です」
「面接の方?少しお待ちくださいね」
店員の人が奥に行く。少しすると戻ってきて、
「どうぞ、席に座って待っていて下さい」と言って席に案内してくれた。優香は緊張で固くなってしまった。
店長と名のる人はまだ若く、名を後藤と名乗った。電話で話したとおり優しそうな人で、
「緊張しなくていいですよ」と言って二人に色々な質問をしてきた。朋美は上手く答えているが、優香は緊張でなかなか上手く答える事が出来なかった。面接が終わり帰りの電車の中で優香は朋美に
「私、上手く質問に答えられなかった。面接の結果大丈夫かな」と少し落ち込んで言った。
「私もー」
「朋美は大丈夫そうだったよ」
「そんな事ないよ。優香こそ大丈夫だよ。それに優香可愛いし」
「可愛いとかって関係ない気がする」
そう言って二人は笑った。優香は朋美が自分の事をウザいと言っていたのかと憶測をしていたが、勘違いだったと反省をした。
最初のコメントを投稿しよう!