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明日には綾目の夏休みが終わる。綾目は荷物を詰めていて、帰り支度をしていた。そんな彼女の姿を私は複雑な気分で見つめる。綾目との関係はまだ淡いものだ。これ以上、足を踏み入れていいものか。弘文とは別れる。しかし綾目との関係はどうなるのだろう。それが歯がゆく、私は親指の爪を噛んだ。
「そんな顔をしなくてもいいんだよ。私は夏実のことを簡単に手放さそうとは思っていないから。夏実はどう?」
「旦那とは別れて、仕事を探すよ。しばらくひとりで暮らす。綾目が嫌じゃなければ、また会ってくれると嬉しいな」
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