空の果てまで会いに行く

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空の果てまで会いに行く

 聖クーニグンテ魔法学園では、初雪の降った日に祭を行う。1日授業が休みになり、生徒全員が白い衣服を身につけ、冬の精霊の祝福を感謝するのだ。  今年も12月。そろそろ“白の祭”の気配が近いと言うことで、私とエデは自室で、白い服の衣装合わせを行っていた。 「白い服しか着ちゃいけないなんて、変わったお祭だよね」  私はエデに話しかけた。エデは鏡の前で呻っている。かと思えばクローゼットの前を行ったりきたりして、落ち着きがない。 「エデは、どんな服着るの?」  金髪で巻き毛の可愛らしいエデは、どんな服を着ても似合うだろう。私が尋ねると、エデはにっこり笑って、クローゼットからその服を取り出した。  白い全身タイツ。 「冗談でしょ」  私がドン引きすると、エデはけらけらと笑うポーズをして、冗談冗談、と手を振ると、クローゼットからそれを取り出した。  中心に大きな字で「白」と書いてある、赤いTシャツ。 「違うでしょ」  私が思わず突っ込むと、目にも止まらぬ速さでエデはそのダサTシャツを着用した。やはり美形は何を着ても似合うものだ。小柄な彼女が着用すると、Tシャツはワンピースのような長さになった。が、目の前のその光景に私は強烈な違和感しか覚えない。 「まず、赤いじゃん」  まじまじと自分のTシャツを眺めた後、そっかー!とポンと手を打った。いまさらか。 「何かないの? エデって雪の国出身でしょ?」  エデはごそごそとクローゼットをあさった。ふわふわで暖かそうなコートが出てきたが、残念なことにピンク色だ。  エデは顎に手をあて考えるポーズをした後、財布を取り出した。 「じゃあ、一緒に買いに行く? 私もワンピースを買いに行こうと思ってたんだ」  私が言うと、エデはにっこりと笑って首を縦に振った。
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