空の果てまで会いに行く

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■  冬の精霊と別れ、ずっとずっと雲の平原を歩いていると、はるか前方を歩いていたエデが急に足を止めた。 「ぜえ、はあ……どうしたのエデ、急に止まって」  私は息も絶え絶えだが、エデはそうでもないらしい。今日は一体何キロ歩いたのだろう。万歩計を持って来ていたら、カンストしているに違いない。エデは雲の下を指差した後、それから雲の平原の前方を指差した。なんだか暑くなってきた気がする。それから、足元のほうから、風を切るような音がする──。  雲を突き破って下から現れたのは、炎の魔神だった。魔神、といっても人外めいた姿ではない。意外なことに普通の男性の姿であり、ちょうど王族がそうするような服装をしていた。いたるところに炎があしらわれており、彼から発生する熱気は凄まじいものだ。 私は、学園でキャンプファイアーを行ったことを思い出した。熱気で顔が熱い。眼球が乾いていくようだ。  炎の魔神──少し大柄な男性、は私たちを見て変な顔をした。 『何だ、お前らは……』  エデはローブの下のポケットをごそごそと探ると、魔法学園の生徒手帳を取り出して突きつけた。警察が名乗るときのようなポーズだ。     
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