空の果てまで会いに行く

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「ええっと、私達は、聖クーニグンテ魔法学園から来ました、1年生です」  私が補足すると、炎の魔神はさらに考え込んだようだった。 『ああ、あの魔法学園ならよく知っている……だが、よくここまで来たな? 飛翔魔法なんぞ危ないから生徒に教えるべきではないだろうに。校長に文句を言わねば』  違う。エデがこの雲の上まで来た方法は、断じて魔法学校で習った魔法ではない。 「ええと。私たち、冬の精霊に頼まれたんです。もうすぐ、魔法学園では“白の祭”が行われるんですけど」 『ああ、もうそんな時期か……』  エデは生徒手帳をしまうと、ポケットから手のひらサイズの雪だるまを取り出して、炎の魔神に突きつけた。彼の熱気で、エデの手のひらの雪だるまは溶けていく。 『ほほう、私の存在のせいで、雪が降らないと言いたいのだな』  理解の早い魔神で助かる。 『それはすなわち……私に、帰れ、と言いたいのだな?』 「あ、えっと、それは……」  私は言いよどんだ。しかしエデは溶けた雪だるまを投げ捨てると、ぶんぶんと縦に頭を振り出した。ロックミュージシャンも驚愕のヘドバンだ。何をしているんだ!! 『炎の魔神である我に帰れとは、なんと言う無礼モノめが』  お怒りのようだ。周りの温度が5度ほど上がった気がする。     
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