空の果てまで会いに行く

13/16
前へ
/16ページ
次へ
『我は彼女に求婚しに来ているのだ! それを邪魔するとは、いくら魔法学園の生徒とて許せん!』  エデはにこにこと笑いながら、自分の杖を取り出したので、私は慌ててエデの体に掴みかかった。 「エデ止めて!! 魔神さんに喧嘩売らないで!!」  炎の魔神も自らの杖を取り出した。臨戦モードだ。彼の杖は、杖とは形容しがたい、炎そのもののような形をしている。  エデは私を振り払った。というか、投げ捨てた。放りだされた私は5mぐらい吹っ飛んでいくと、雲のクッションの上にぼよんぼよんとバウンドした。  炎の魔神 vs エデの戦闘が始まった。……かと思いきや、その勝負はあっけなくついた。炎の魔神が炎を繰り出すと、エデが立っていた周りの雲が全部溶けてしまったのだ。支えを失ったエデは、あっという間に落下していった。 「エデーーー!!」  私は青くなって穴に駆け寄った。遥か目下には農耕地や湖などが広がっている。高度何mだと思ってるんだ! こんな高さから落ちたら死んでしまう!! 「エデに何てことするの!!」  私は振り返って、炎の魔神に叫んだ。 『私には向かう愚か者はこうなるのだ。せいぜい自分の未熟さを痛感するがいい』  炎の魔神は杖をしまうと、悪役の台詞な様なことを言った。     
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加