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『我は彼女に求婚しに来ているのだ! それを邪魔するとは、いくら魔法学園の生徒とて許せん!』
エデはにこにこと笑いながら、自分の杖を取り出したので、私は慌ててエデの体に掴みかかった。
「エデ止めて!! 魔神さんに喧嘩売らないで!!」
炎の魔神も自らの杖を取り出した。臨戦モードだ。彼の杖は、杖とは形容しがたい、炎そのもののような形をしている。
エデは私を振り払った。というか、投げ捨てた。放りだされた私は5mぐらい吹っ飛んでいくと、雲のクッションの上にぼよんぼよんとバウンドした。
炎の魔神 vs エデの戦闘が始まった。……かと思いきや、その勝負はあっけなくついた。炎の魔神が炎を繰り出すと、エデが立っていた周りの雲が全部溶けてしまったのだ。支えを失ったエデは、あっという間に落下していった。
「エデーーー!!」
私は青くなって穴に駆け寄った。遥か目下には農耕地や湖などが広がっている。高度何mだと思ってるんだ! こんな高さから落ちたら死んでしまう!!
「エデに何てことするの!!」
私は振り返って、炎の魔神に叫んだ。
『私には向かう愚か者はこうなるのだ。せいぜい自分の未熟さを痛感するがいい』
炎の魔神は杖をしまうと、悪役の台詞な様なことを言った。
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