空の果てまで会いに行く

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■  あんまり無茶はするなよ、と言い残して白い龍は湖の中に消えた。止めてくれよ……。 「でも、どうやって雲の上まで行くの? エデって空飛べたっけ?」  どうせ飛べるんだろう、と知りつつ私は続ける。 「さすがのエデでも、炎の魔神を説得することなんて出来ないと思うけど……」  エデはローブのポケットから、先ほど購入した白いペンキを取り出した。どう見てもポケットに入る大きさではないが、彼女のポケットは四次元的である。  エデがもりもりと魔法をかけると、バケツが浮遊した。デッキブラシを取り出すと、ペンキの中に突っ込む。そうして、彼女は宙を塗っていった。  私は目を見開いた。白い階段が塗られている。まるで、そこに目に見えない透明な階段があって、それをエデが白いペンキで塗ったかのような。エデは10段ほど白い階段を塗ると、ちょいちょいと手招きをした。私も上って来いといっているらしい。 「ええ、怖いなぁ……」  私が一段目を踏みしめると、案外しっかりとした感触が足の裏から帰ってきた。これなら上れる気がする。……地上を見ないようにすれば。  エデはルンルンしながら、階段をワックスがけするかのように、上へ上へと昇っていく。 ■  私の息が切れる頃には、階段の端は雲の先っちょへと接続していた。私はぜーはーと肩で息をしながら、雲の高度を考えようとして、止めた。  エデはデッキブラシをしまうと、雲の上に飛び乗り、ふわふわと先へと進んでいった。私は恐る恐る、雲の絨毯の上に足を移動させた。もこもこするが、ちゃんと私の体重を支えてくれるようだ。エデに置いていかれないように、エデの後ろを追う。
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