沈む赤と影

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ドブン。 沈む、沈む、沈む。 ヒヤリとした感触に体を包まれる。 (ここ、水、の、なか…?) 不思議と目を開けることができた。 ふわふわとした浮遊感とじっとりとした不安がくすぶっている。なんとも不思議な感じだ。 (なんでこんなところにいるんだろう。) 頭がぼんやりとして考えることを拒む。 でも、必死に意識をつなぎとめる。 水の中にいる。そう理解した瞬間忘れていた息苦しさが蘇る。 ああ、酸素が足りない。だれか、たすけて! ゴボゴボと沈んで行く。やめて。沈む。苦しい。助けて。 まだ、まだ死にたくない。だれか…っ!
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