沈む赤と影

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「はぁ…!」 目を覚まして見ると景色は見慣れたものになっていた。いつも通りの勉強机に枕横に充電コードで繋がれているスマートフォン… ぐっしょりとかいた汗のせいでパジャマが背中に張り付く。ぺったりと気持ち悪い。 夢の中で溺れたという事実に驚きを隠せず、力が入らない。真っ白な指先を見つめパチパチと瞬きする。 こんなにはっきりと夢を覚えているなんて初めてだ。 (怖い。) 外では薄っすらと蝉の声が響いているが、部屋は扇風機が回っていて幾らか風がある。でも、じっとりとした汗は引かない。ボンヤリとした不安がずっと自分の中に燻っている。 (とにかく学校行かなきゃ…。) ベッドから這い出るとボディシートでササッと体を拭いた。
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