序章

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・:*:・:・:・:*:・ 「えぇ!? 宮本さん、オタクなんですか?」 伊藤が驚いた声を上げる。 飲み会の席で同期の春山がバラしたから。 「そうなんだよ。 こいつ、見た目は王子なのに、残念な奴 だろう?」 内心、俺も、伊藤をかわいいと思ってはいたが、これで全て終わった。 ところが、伊藤は他の女たちと少し違った。 「何オタクなんですか?」 「え?」 「アニメ? ゲーム? オタクにもいろいろ ありますよね?」 は? そこ、突っ込むところ? 俺は不思議に思いながらも、 「ゲーム。 アニメも高校生くらいまでは見たけど、 卒業した。」 「だったら、そのうち、ゲームも卒業するかも しれませんね。」 え!? そんな風に言われたのは初めてだった。 「私は、別にオタクでもいいと思いますよ。 だって、サッカーオタクは良くて、ゲーム オタクがダメって、意味が分からなく ありません? 世の中では、野球オタクな親父もアイドル オタクな女子も市民権を得てるじゃ ありませんか。 ゲームやアニメだけ差別するのはおかしいと 思うんですよね。」
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