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「えぇ!? 宮本さん、オタクなんですか?」
伊藤が驚いた声を上げる。
飲み会の席で同期の春山がバラしたから。
「そうなんだよ。
こいつ、見た目は王子なのに、残念な奴
だろう?」
内心、俺も、伊藤をかわいいと思ってはいたが、これで全て終わった。
ところが、伊藤は他の女たちと少し違った。
「何オタクなんですか?」
「え?」
「アニメ? ゲーム? オタクにもいろいろ
ありますよね?」
は? そこ、突っ込むところ?
俺は不思議に思いながらも、
「ゲーム。
アニメも高校生くらいまでは見たけど、
卒業した。」
「だったら、そのうち、ゲームも卒業するかも
しれませんね。」
え!?
そんな風に言われたのは初めてだった。
「私は、別にオタクでもいいと思いますよ。
だって、サッカーオタクは良くて、ゲーム
オタクがダメって、意味が分からなく
ありません?
世の中では、野球オタクな親父もアイドル
オタクな女子も市民権を得てるじゃ
ありませんか。
ゲームやアニメだけ差別するのはおかしいと
思うんですよね。」
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