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一口呑んで、ぷはーっ、と言ったわたしに店長サンは言う。
「おつかれ。今夜はいいお客さんだったね。相乗効果かな。今夜のピアノの音はいつにも増して良かったよ」
店長サンは平素、めったに褒めない。こんな風に言われると、どこかくすぐったい。わたしは肩を竦めた。
「店長サンがそんな風に褒めると、今夜はこれから雪が降るかもしれない」
「雪か。札幌だったら五月に雪もそんなに珍しくはないな」
カウンターの端で、プッと吹き出す声がして、わたしはそちらを向いた。
「あ」
思わず、間抜けな声を上げてしまった。
「あなたは……」
「俺の言った通りだったろ」
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