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聡明な印象を与える端正な顔立ちの中で、高校生のような爽やかさをにじませる大きな二重瞼の目が意思の強そうな光を放っていた。
仕事終わりである事が窺える、スーツ姿の青年は、あの彼だった。照明を少し落とした店内で、そこだけにスポットが当たっているかのような錯覚を見た気がした。
胸が、大きく波打つのを感じた。
「絶対に会える、って……」
「そう、先月、知り合いに連れられてここに来て、アンタを見つけた」
だから……だからわたしの名前を? というか、初めて会った時から引っかかるのはその、〝アンタ〟呼ばわり。敢えて突っ込みませんけどね。言葉のぞんざいさは、少しも変っていないのね。
内心で苦笑いしていると店長サンがハハハと笑って言った。
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