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「サンタはサンタだ。それも仕事なんだよ。サンタがいなかったら、一体誰が子供たちにプレゼントを配るのだ」
「それは、その子のおy……」
「いいかい。よく聞きなさい。私は何も契約を取りつけることだけが仕事じゃないんだ。ちゃんとプレゼントも配らなければならないのだよ。夜勤明けだよ。昨夜はずっとプレゼントを配り続けていたのだ。おかげで肩が上がらなくなってしまった」
「それは大変だったのでしょうけれども……」
「まったく。しかし、世間が休みの時に働くというのが客商売の鉄則だからね。稼ぎ時というやつさ。さ、サインをしてくれ」
私はため息をついた。
どうすればいいのだろうか。
まさか自分の家にサンタが来るなんて思ってもみなかった。
サンタがクリスマス使用料の契約を取りつけに来ることは、噂では聞いていた。それもかなり強引な手口で契約を迫ってくる、ということも聞いていた。
確かに強引だ。
何せ、気づいたら枕元に立っているんだもの。
こんなのただの不法侵入じゃないか。
しかし、彼らの後ろには莫大な権力を持つ全国的な組織がついているのだ。彼らに逆らうことは誰にもできなかった。
何人かの勇気ある市民が立ち上がり、裁判を起こしたりもしたが、結局すべて負けることになってしまった。
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