聖なる夜の契約

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「じゃ、じゃあ、昨日は何を食べた? クリスマスにまつわる料理を食べたりしなかったかね? ケーキやチキンは食べたりしただろう」 私は立ち上がってキッチンへ向かった。 そして、明日の月曜朝に出すためにまとめていたゴミ袋を取ってきた。 「どうぞ確認してください。昨夜の夕食は牛丼とサラダセットです」 サンタは愕然(がくぜん)としながらゴミ袋の中を確認した。 いい歳した女子がクリスマスイブに牛丼の持ち帰りを一人で、とか何とかつぶやきながら。 私は冷蔵庫を開けてその中も確認させた。傷みかけたもやしと消費期限の切れたタマゴしか入っていなかった。 サンタはもはやビビっていた。 「お引き取り願えますか」 私の言葉に、サンタはしぶしぶ立ち上がった。 玄関のドアへと向かう途中、彼は恨みがましく何度か振り返った。 が、やがてあきらめのため息と共にドアをあけて去って行った。  * こうしてクリスマス使用料の徴収員は去って行った。彼のいなくなった部屋には静けさが戻ってきた。 「クリぼっち」でも、私は別にむなしくはなかった。もともと一人で過ごすのが好きな性格なのだ。世間は世間、私は私でいい。 こたつの上の空き缶には、サンタの吸ったタバコの吸い殻が残されていた。 その空き缶の横に一枚の名詞が置かれていた。 名詞には「NCK(日本クリスマス協会)」と書かれていた。     
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