君と幸せの70日

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ボサボサに伸びたくるくるのりぃの髪を瑠璃が丁寧に櫛で解く。 「これでオッケー。ずっと可愛くなった」 鏡に映る自分の顔をりぃはまじまじと見ている。 「よし、私が働いてるお店にいくよ」 棚の奥深くから探し出してきた瑠璃の子供の頃のコートをりぃに着せる。 入り口の扉を開けると、道はまだ真っ白な雪に覆われていた。 りぃの小さな手を握りしめて瑠璃はゆっくりと真っ白な道を歩く。 「瑠璃さん、おはようございます」 白髪頭の立ち姿が美しいマスターが店のドアを開けてくれる。 「ありがとうございます。おはようございます」 瑠璃はりぃの手を引き、暖かい店内に入った。 「今日は小さなレディーのお客様がいらしてくれたようですね」 マスターは優しい微笑みをりぃに向ける。 りぃは小さな体をもっと小さくして、きょろきょろ店の中を見渡しながらこくんと頷いた。 「外は寒かったでしょう。どうぞ暖炉の近くのお席へ。小さなレディーにホットココアを入れましょう」 瑠璃はりぃを暖炉の一番近くの椅子に座らせた。 「あの白い雪の森と天使のお話はおとぎ話ではなかったのですか?」
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