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マスターの視線を追うように、瑠璃はりぃの方を見る。
テーブルに置かれたホットココアには手もつけず、背中を丸めて耳に指を突っ込み、目をつぶったりぃが椅子の上にちょこんと座っている。
瑠璃は立ち上がり、りぃの隣へ移動する。
時々薄目を開けて周りを確認しているりぃの前で瑠璃はしゃがみ、りぃの目を見つめて優しく微笑む。
「大丈夫、りぃ」
瑠璃はそっとりぃを優しく抱きしめる。
瑠璃の体温がりぃに伝わる。
りぃがゆっくり耳から指を抜き、瑠璃の肩にそっと手が触れた。
「りぃ、ホットココア美味しいよ」
瑠璃はりぃの手にあたたかいカップを持たせる。
「瑠璃さん、優しさもあたたかさも幸せも、人から人へ伝わっていきます。だからこそ、瑠璃さんが小さなレディーと少しの間いられる時間、今まで以上に幸幸せを感じて大切にしてください。瑠璃さんの幸せは小さなレディーの幸せになるのです」
マスターはりぃの手をそっと取り握手する。それから再び瑠璃に優しい微笑みをみせる。「いつでもお店にいらしてください。私もお二人の笑顔をたくさん見たいです」
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