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テーブルに置かれたカップにホットミルクを注ぐ。
「どうぞ、熱いから気をつけてね」
りぃは小さな両手でカップをそっと持ち上げた。
「あったかくて、おいしい」
一口飲んだりぃの表情が少し緩む。
「よかったぁ」
瑠璃も自分のカップを手に取り、ホットミルクを一口飲む。
「あ」
りぃが慌てた顔をして突然テーブルの下に潜る。
「どうしたの?」
驚いて瑠璃もテーブルの下を見る。
「お掃除しないと」
りぃは小さな手でテーブルの下に落ちていた小さな埃を拾っていた。
「ありがとう。でもね、今はお掃除しなくていいの。美味しくご飯を食べましょ」
りぃの手から小さな埃を受け取って瑠璃は優しく微笑んだ。
りぃというこの少女はどんなふうに生きてきたのだろう。びくびくと周りをずっと伺って、笑うこともない。瑠璃はとても悲しい気持ちになっていた。
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