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プロローグ 『神隠しの山』
「居るもん!!妖精はぜ~ったいに居るもん!!」
あやめちゃんは半べそをかきながらも力強く主張する。
「ば~か!!そんなもん居ね~よ!!ば~か!!」
「そうだそうだ!!ホントに居るならここに連れて来いよ!!見せてみろよ!!」
「やれやれ…この科学万能の世に在って未だにそんなものを信じているなんてあやめちゃんは子供だな~」
公園に集まっていた子供たちは一斉にあやめちゃんの言動を完全否定する。
中には大人ぶって難しい御託を並べて調子に乗っているガキもいる。
「分かったよ!!連れて来れば信じてくれるんだよね!?
今から捕まえて来るから待ってて!!」
あやめちゃんも一歩も退かない。
売り言葉に買い言葉、
お気に入りの麦わら帽子をかぶって虫取り網を片手に
公園から直結している林道から山の方へと入って行ってしまった。
「あやめちゃん!!待って!!オレも行くよ!!」
慌ててオレはあやめちゃんを追いかける。
「つっ君…君も私の言う事…信じて無いんでしょ…」
口をアヒルの様に尖らせていじけて言う。
つっ君と言うのはあやめちゃんだけが使うオレのニックネームだ。
「違うよ!!信じてる、オレ…実は幽霊とかUFOとか…え~と
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