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残り10000メートル
何時でも良いだろう。
残念ながら此処は私の言葉だけで出来ている。
そこの時計にも意味は無い。
私が綴った時間になる。
柘榴の吊された部屋へ出かける前であれば何時でも良い。
夕焼けに赤い月が見え始め微かに揺れているという条件で時間はお前に決めさせてやる。
お前が決めて良いのはそれだけだ。
赤は他に出て来ない。
だからお前の目には、限り無く彩度の強い真っ赤な月が写るぞ。
この本の表紙のような。
さて此処からはゆっくりと歩いて貰うだけだ。
10000メートル程の距離をな。
歩き終えたお前とまた向かい合って話そう。
そこで「雨月流ドグラマグラ」を終わりにしよう。
どうかまた会話出来る事を楽しみにしている。
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