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「それにしてかなり汗をかいたな」
「そうね」
僕はリビングに用意してあったタオルで顔や身体中を拭き取る。
ベトついた汗がタオルに付着し湿っぽくなる。
華も結んだ髪を下ろし、頭からタオルで汗を脱ぐう。
今日は天候も良いから気温も高い。
彼女はリビングからバスルームに向かう。
「私が先にシャワー入るね」
プーマのスウェットを脱ぎだす。
「わかったよ。先に入っていいよ。でもその
前にいつものお願い」
僕はニンマリした笑顔と申し訳なさを表した眉間に皺を寄せて微妙な表情を見せた。
「また~。あれ」
「いいじゃないか。別に何か減るものでもないしね」
「だって恥ずかしいから。あまりしないでね」
僕は華から受け取った脱ぎたてのスウェットを
持ってリビングのソファーに座る。
すぐにスウェットを鼻に押し当てた。
鼻穴から甘い香水の匂いと生暖かい汗の芳香が
身体の中に広がってきた。
堪らない感覚が胸に広がった。
「これだよ。これ、堪らないな」
僕は鼻に華の匂いに喜びを感じとっていた。
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