1 俺はこいつの奴隷だよ

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 ローリエがやれやれといった顔で口を開いた。 「わかった。私がもう1匹狩ってきてやる。1匹でだめなら2匹と戦わせればいい。それで少しは張り合いが出るというものだろう。私に任せろ」 「いや、それはちょっと」  俺とブラッキオは目を合わせた。  大熊を狩りに行くなどローリエにはまだ早すぎる。危険すぎる。  そのことは、ローリエ以外の2人が十分に承知していた。 「なんだ、私には無理だと言うのか?」 「そうではありませぬ。ただ、どんなことにも順序があると申し上げたいのです。かのギガノトスでさえ、最初は子ウサギを狩って経験を積み重ねてきたのです。若君はまだ普通の熊も経験になってなっておりません。どうかご理解を」  王子を必死で止めるブラッキオに、狩から帰った頃のあの堂々たる風情は無かった。  ローリエは久々に不満げな表情をうかべて、ぼやくように答えた。 「なら、ブラッキオ、お前が一緒に来ればよかろう……」  ブラッキオは無言のまま、自分のズタズタな装備品に目を落とした。  ブラッキオ、王子を頼んだぜ……
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