秋の歌

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 秋の収穫祭を控え、町は活気にあふれていた。  祭りの準備に大忙しの大人たちだが、それは明るい喜びの色に満ちている。  そんな大人たちの楽しげな空気は、子どもたちへも伝染した。  何か素敵な、特別な出来事が訪れる予感。  幼い児童から成人間近の少年少女まで、その浮足立った心地に染められていった。  中でも、ここ私立城北高等学校の講堂は、その祭りの会場の一部として使用される。  生徒たちは皆、催しの開催を楽しみに日々過ごしていた。
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