秋の歌

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「あぁ、楽しみだなァ。今年の収穫祭」 「やけに素直だね、凱」  一ノ瀬 凱(いちのせ がい)と、由良 怜也(ゆら れんや)は、共に城北高校の1年生。  今は、昼休みの植物園でくつろいでいた。  「今年はさ、ブドウが豊作だったろ? 新酒が楽しみで楽しみで♪」 「未成年が飲酒しちゃダメだろ!」  固いこと言うな、とその白い頬に手を伸ばし、キスをしようと顔を近づける。  だが怜也は、ぷいとそっぽを向いてしまった。
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