ごほうび

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学校から帰って来て、携帯を充電機に繋いだ。 電源をつけると、メールと着信が結構貯まってた。 ほとんどが美知子と舜。 そして1件だけ康隆さんからのメールがあった。 日付は今日の朝。 連絡はくるかなと思った。 今日はお姉ちゃんの命日だから。 『なっちゃん、元気にしてる? 小春の事とか、話したいことあるから 都合のいいときに連絡下さい。 テスト頑張ってね』 確かにお姉ちゃんの遺骨とか荷物とかそのままにしてきちゃったしな…… 康隆さんだって新しい恋人が出来てもおかしくないし。 部屋をあのままにしとくのはダメだよね。 メールの返信していたら玄関から物音がした。 『うわ、傘無かったの?』 びしょびしょの善が帰って来た。 私を見て、少し驚いていた。 『あぁ、なつめか。早いですね。』 『今日からテストだったから………… ちょっと待ってタオルタオル…………』 急いで脱衣所からタオルを持ってきて、ソファに善を座らせ頭をわしゃわしゃ拭いた。 『今日仕事?』 『いや……』 もう拭いても意味ないくらいびしょびしょだ。 『ダメだ。待ってて、お風呂ためてくる。』 善の頭にタオルを被せたまま、お風呂場に行こうとすると手首を捕まれた。 『何?』 手が冷たい。 どれくらい雨にうたれてたんだろう? 『行き先、決めましたか?』 『まだ。候補がいくつかあって…』 『……優柔不断…』 クスッと笑うと立ち上がり、お風呂場に行ってしまった。 その日はそれ以上会話をすることなく、善はお風呂からあがると死んだように眠ってしまった。 『おはよー。善さんはどんな感じー?』 翌朝、銀次君が色々買い揃えて部屋に来た。 『今、寝てる。多分風邪。昨日雨にうたれてたし。』 『夏風邪ってしつこいからね~ ぜーんさん!大丈夫?助けに来たよー。』 寝室にずかずかと入って行った。 私は脱衣所で身支度を整えた。 『じゃあ銀次くん。善の事よろしく。』 『おーう。任せろぃ!テスト頑張ってねぇ~』 寝室をのぞくと銀次くんはベッドに乗って体温計を善の脇の下につっこんでいた。 『………なんかエロい……変なことしないでよ。』 『失礼な。俺はストレートだ!』 善は相変わらず死んだように眠り続けている。 『心配すんなよ。たまに倒れるんだよ、この人。 いつもすぐ治るし。』 『そうなんだ…』 なんか……呪いっぽい。
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