奇妙な男

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10個歳上の姉の小春は誰から見ても美人だった。 性格もおっとりしていて、優しくて明るい。 私とは似ても似つかない。 唯一にてるのは目の形くらい。 小さい頃から 『お姉さんはかわいいのにねぇ』 と言われ続け、当然私はひねくれた。 親も、これ見よがしに姉を贔屓していた。 だからあんまり両親も好きじゃなかった。 両親が事故で揃って亡くなったとき 悲しかったけど私は姉の様に素直に泣けなくて 親戚一同から冷たい女のレッテルを貼られてしまった。 姉は弱くて、優柔不断ですぐに泣く。 私の持っていないものを全部持ってる。 恵まれた容姿、親の愛情、素敵な恋人 そんな姉が約一年前 突然死んだ。 どうして姉がその選択をしたのか 今となっては分からない。
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