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「次長、ありがとうございます!」
私は大きく頭を下げた。
和明にプロポーズされた三日後、私は会社の制度として今年から設定された自己都合休職を申し込んだ。
次長は快く承認してくれ、海外での生活は私の将来に大きな糧になるから素晴らしい経験をして来なさいとエールをくれた。
私は直ぐに和明に電話して、プロポーズの承諾を伝えた。
和明は電話先で雄叫びを上げていた。
私もとても幸せだった。
一週間後、和明が私の両親に挨拶に来る事になった。
その日の朝、私は自分の部屋で目を覚ました。
しかし、普通と違う視界に違和感を感じた。
景色が白色のベールに包まれた様に白濁していた。
私は両目を擦ってみたが、状況は改善しなかった。
(きっと疲れているのね・・)と思いながら、和明が両親に気に入られるかどうかの方が先に立ち、その症状を余り気にしていなかった。
和明の両親への挨拶は大成功だった。
彼は父ともすっかり意気投合して、夕方まで一緒に呑んでいた。
「お父さん、息子が出来たと本当に喜んでいたわよ」
という母の言葉を聞いて私はとても嬉しかった
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