心雪~音もなく側にあるもの~

2/22
前へ
/22ページ
次へ
徹夜明けの眠い目を擦りながら仕事場のブラインドを閉めた。 さすがに辛い。 暫くソファで横になろう... どの位眠ったのか、キッチンからする物音で目が覚めた。 彼女が来ているのか? 喉も乾いていたのでソーダ水を取りにキッチンへ向かう。 まだ昼過ぎなのに薄暗く感じる。 窓から細い光が何本も射していた。 この時間では何時もブラインドは開けてあった筈だが... ここに越して来た頃に近所のバザーで買ったヴィンテージ物のテーブルに誰かが頬杖をして座っている。 誰だ?見覚えのある姿。 ...そこには親父が居た。 少し透けている。 直ぐにこの世の者では無いと分かった。 だけど怖くはない。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加