心雪~音もなく側にあるもの~

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『親父、何か言いたい事でもあるのか?』 『ん?ああちょっとな...』 親父は少し間をあけてから話し出した。 『おめぇには苦労かけたと思ってよ。』 『俺より母さんの方が大変だったさ。』 『確かにあいつには頭が上がらねえ。だがよ子供がいたから頑張れたんだぜ。』 『そんな事ねぇよ』 『いやぁ、親ってのはそう言うもんなんだよ』 『・・・』 俺は一口、二口、酒を飲んだ。 『実はな、これ持ってきたんだ』 親父は水色の縞模様が入った袋からグローブを取り出した。
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