狂気

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ブツッ ブー 「再びこんにちは。国民のみなさん。 もう気づいているかもしれないが、身を守る準備はしておいた方がよいよ。簡潔に言うと、囚人を解放させてもらった。少し思考のリミッターは外させてもらったが。私達のやりたいことは簡単。善と悪、最後の戦争を見せてくれ。」 何を言っている? 善と悪? 囚人? では、さっきの不審者は犯罪を犯してさっきまで牢屋に入ってたとでもいうのか。危なかった。これが本当なら今この状況は相当危険だ。 「言い忘れてたけど、現代だけじゃないから気を付けたまへ。ては、またの機会を。」 そこで放送は終わった。 「どういうことだ?現代だけじゃな..」 どうした?何を見てい.. 一晴は後方を見ていた。 そこには大柄な男が立っていた。格好がおかしい。なんと言うか、古い。 「どうする? 入り口を押さえられたぞ。」小声で誰かが呟く。 それを皮切りに、男が突っ込んできた。凶器は持ってない。いや、その大きな体が凶器か。 一瞬のことだった。男はこちらに突っ込んできたはずだった。なのに今は血を流して、横たわっている。代わりに現れた男は、知り合いだった。だが、誰もが思った。この男の方が危険だ。 ―――黒須玄斗(くろす げんと) 倒れた男にまたがり何度も殴り付けていた。 狂ってる。
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