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.......ひっくり返った? いや、そんなはずは.. 夢の中..ではないな。
訳が分からなかった。今まで見てきた景色が180度ひっくり返っていた。
家の中を見渡すと、足元に電球が生えていた。俺は今、天井に立っている。とは言っても、今は床なんだが。重力の向きが急に変わったのか?そんなことあり得るのか?
試しに、テレビのリモコンを外に投げてみた。 落ちてった。 空に。
気づけば俺は、手元にあるものを手当たり次第に窓から投げていた。それらは例外なく、空に消えていく。
意味が分からない。この世界に何が起こったというのか。.....俺にわかるわけがないか。考えるのは止めよう。
俺はいつもそうしてきた。できないことは、できない。わからないことは、わからない。
そう割り切って、自分にできることを効率よくこなす。これが俺の長所だと信じている。
とりあえず、様子を見るか。 窓から外を見渡す限り、人がいる様子はない。
あれ?外では大騒ぎしてると思ったのに。 いや、無理か。外に出た瞬間空に落ちて終わりか。
でも屋内で騒いでるはずだ。屋内とはいえ、ここまで声が聞こえてもおかしくない。
辺りは静かだった。まるで俺以外の人間がいなくなったかのよう。驚きすぎて声も出ないのかな。
人間想像外のことが起きると、逆に冷静なのかもしれない。
本来なら今、世間は100億人記念でバカ騒ぎしてただろう。確か、「外に出て祝いましょう!」とか言ってたな。 うん? 外に出て? みんな落ちたのか? 空に..
まさかな。そんなこと..
嫌な想像が頭から離れなくなった。とにかく辺りの様子を見に行こう。
そして、俺は外に行こうと思ったのだが。 無理だ。 足場がない。 道路は今、俺の頭上にある。
どうしたものか。
あきらめかけたその時、天井(元々は床)に妙なものを見つける。
穴? そこには、直径1mぐらいの円状に空いた穴があった。 こんなのあったっけ。
たしか、そこは元々本棚が置いてあった場所だった。でかい本棚だから隠れてたのか?
俺は、適当なものを積み上げ、足場にして、穴の中を覗いてみた。
そこには、学校の廊下のような空洞が続いていた。 なんだここ? いや、行くしかないか。
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