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陰謀
ここは、教室か。入口のほうを見ると、3-2と書かれた札が垂れ下がっている。逆さまだが。
ここにも穴があったのか。俺の家が変というわけでもないらしい。とにかく、様子を見に行こう。
学校の中は静寂に包まれていた。人がいる気配がしない。まさかほんとに落ちた..?
まだ決めつけるのは早い。きっとどこかに避難しているはず。
すると別の教室から話し声が聞こえた。俺はすぐに向かった。
そこには 数人の生徒と教師の姿があった。驚いた様子でこっちを見ている。
「聖? 聖じゃないか。」
俺の名前を呼ぶ人がいた。
「一晴、よ、よう。」
彼は、高塚一晴(たかつか いっせい)俺の友達。俺は今日、体調不良で学校を休んだのだが、それは嘘なので、少し気まずい。
「体調はだいじょうぶか?」
「もう治ったよ。」
もう一人のほうから聞かれる。彼の名前は真田仁(さなだ じん)。俺の一応、友達だ。
「よかった。無事な人がまだいて。」
そういったのは、確か3年生のクラスを持つ教師、安東先生だ。 まだいて、か。やはりほかの人たちはもう..
教室内を見ると、俺の他に4人いた。
一晴と真田と先生、もう一人、なにやら放心状態の人が一人いた。名前は知らないが、たぶん3年生だ。
「信じられないよな。」
「まさかこんなことが起きるなんて。」
俺は友達2人といろいろ話し合った。2人ともやけに落ち着いているな。それもそうか。騒がしい人たちはみんな空に落ちてったに違いない。今生きてる人は外に出ようとはしなかった、俺と同じタイプの人しかいないんだろう。
だいたい状況を確認しあったころ、突然転がっていたテレビの電源がついた。
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