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何故なら先生…美東先生はだいぶ可愛い。僕が美東先生を眺めていると、こちらに対してウィンクをしてくる。それに応じて歓声があがる。なんだこれ。
「では次は男子の1番、そのあとは女子の1番っていう感じで自己紹介してねぇ」
そう言われたので、僕は立ち上がってクラスのみんなを見渡し、自己紹介をする。
「僕は安藤林斗。誕生日は9月3日です。どうぞよろしくお願いします」
そして席に座る。クラスのみんなは沈黙し、10秒程経つと、叫ぶ。
『誰お前!』
「わかめです」
『あ~』
わかめですって言うだけで伝わるのは楽だなぁ。さて、
「自己紹介の続きを…」
「待て待て待て待て待て!」
そう叫んだのは、このクラスにできた大きく2つのグループの、片方のリーダー格の男子。名前は知らん。
「わかめって…は?まて、ハァ!?なんなんだよその見た目!」
「…あぁ、床屋の人にお任せでと言ったらこうなったんですよ。似合ってないですかね?」
僕がそう聞き返すと、反応したのはもう片方のグループのリーダー格の女子だった。
「可愛い~!お人形さんみたい!」
いつのまにか僕の近くまで走ってきていて、僕にハグしてくる。それを僕は、
「…では、自己紹介の続きをしましょう」
軽く流す。それに対してのクラスの反応は驚愕の声だった。そして、その声を代表するように男子リーダーが、
「待て!愛梨は少なくとも美少女の部類だぞ!?なぜ喜ばない!」
と叫んだ。
「えっと…名前分からないのでイケメン君と呼びますね。えっと…愛梨さんでしたっけ?愛梨さんは確かに美少女、とてつもなく可愛いですよ?ですが、ここで表にだして喜んだら[下らない男子]の仲間入りをするような気がして…」
その言葉に、香里奈が小声でツッコミを入れる。
「波風立てずに生活が目標なのに、なんで波風立てるような発言してるの!」
「あっ…」
大分やばいな。
「…いや、林斗…だっけ?林斗なら仕方がない。」
ありゃっ、許された。
「と~こ~ろ~で~…君達は付き合ってるのかな?かなかな?」
茶色の髪を揺らしながら、愛梨さんがにやにやして聞いてくる。それが原因で昨日の晩御飯の事を思い出し、赤面する。
「…ハァ、次は俺か。」
そう言って香里奈は立ち上がり、自己紹介をする。
「俺は安藤香里奈。察しのいい人なら分かると思うが、俺達は双子だ」
そう言った。それに男子リーダーは、
「男女逆じゃね?」
と言った。
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