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僕はさっさと部屋着に着替えると、下に下りて冷蔵庫を確認する。卵1パックに食パン、ケチャップのみだった。ご飯は前のご飯の時の残りのラップされたご飯。およそ3合分のみだった。お母さんとお父さんは仕事で、晩御飯が出来上がる時に帰ってくる。むしろ親の帰宅に僕が合わせている。
「…全く、お父さんと香里奈ならまだしも、お母さんにはご飯作れて欲しいなあ」
僕は適当に食材を取り出し、料理を作り始める。
「安藤香里奈編」
「~~~!」
感情を抑えきれず、俺は部屋で、枕を抱いた状態で床に寝そべり、横回転をする。
「うるさーい!床で回転するなあ!」
一階から林斗にいちゃんの声が聞こえたが、それが原因で顔が赤くなる。
なんで…なんでっ!
「(なんでにいちゃんが、あんな美少年になってるんだよぉ!)」
近所迷惑にならないよう心で叫ぶ。今までにいちゃんはボサボサの、それこそわかめのような人間だったのに、急ににいちゃんを見たらドキドキするようになって、更に遅く帰ってきたにいちゃんがとんでもない美少年!
「(こんなイメチェンイベント、どんな小説でもライトノベルでもあるわけないよォォォォォ!)」
ふと、先程にいちゃんに肩を組まれた時、即座にこの部屋へ逃げた事を思い出し、不安に駆られる。
「…にいちゃん、あれで俺の事嫌ったのかなぁ?」
そう、香里奈は呟く。そもそもの、兄への恋心の事は問題にせずに…
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