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俺はずかずかと歩み寄り、まだ叫んでいる男の胸を思いきり踏みつけた。
「ユロージヴイ金融の者だ。あんたに貸した金の返済期限は先月だったはずだが、いつになったら返すつもりだ? 家で女をいじめてる暇があるなら、金策に駆け回れよ、靴底すり減らして」
「……ユロージヴイ、金融、だと!? おまえみたいなガキがか?」
男はわめくのをやめて、驚いたように目を見開いた。
俺はきっぱりと答えた。
「未成年が貸金回収をやっちゃいけないって法律はねーよ。『借りた金は返す』。ガキでもわかる、単純な話だ。難しいことなんか何もない。そうだろ?」
「……」
「言っとくが、俺の銃の引金はとても軽い」
俺は男の鼻先に銃口を突きつけた。男が唾を飲み込んだ拍子に、その喉仏が大きく動くのが見てとれた。
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