凍ってしまった感情

6/8
前へ
/22ページ
次へ
 そしてようやく――二人の我が子は大きくなり、私の手から離れても大丈夫になった。  そしてようやく――その二人に、新しい家族が出来た。  娘と息子――二人の幸せそうなその表情はまるで。  彼と私が結婚した時とソックリだった。  私達の血はしっかりと受け継がれていたようだ。  ……それを、どんなに嬉しかったことか。  女手一つで子供二人を育ててきた私に。  そんな私に育てられた子供二人がまさか……二人とも、心から愛することが出来る人を見つけた時は。  ……嬉しかった。  だけど私は――どれだけ嬉しくても泣くことはせずに。  その事実を、むしろ笑顔で喜んだ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加