幸せの配達人

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 …お母さんが女の子を、ぎゅうっと強く、抱きしめたからです。 「当たり前でしょ…っ!」  お母さんの声は、震えていて。  お母さんの目からは、涙が零れていて。 「…お母さん、あのね?  私とっても、とっても、とっても楽しい夢を見たの」  女の子は、話し始めました。  肌も、長い髪も、綺麗な雪の結晶の髪留めも真白で。  その瞳だけが、木の実の様に真っ赤で。  …まるで、雪兎の様な女の子は、  とても楽しそうに、とてもにこやかに、話し始めました。  幸せの配達人との、夢の様な一夜の事を。
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