幸せの配達人

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 ぽつんと立つ、街灯の明かりが見えて。  …その街灯の下に、誰かが立っていました。  その人はくるりと、女の子の方を向きます。  …とても綺麗な、女の人でした。  真白な、絵本で見る様な紳士のスーツとズボンを着ていて、  真白なシルクハット、真白なステッキ。  肌も、長い髪も、綺麗な雪の結晶の髪留めも真白で。  …その瞳だけが、木の実の様に真っ赤で。  …雪兎みたい。  女の子は、ぼんやりとそう思いました。  その人は何を考えているのか良く分からない表情をしていましたが、女の子を見た途端、満面の笑みを浮かべて、 「やぁ、初めまして」  そう言って、左手を背に、右手でシルクハットの鍔を持って、お辞儀をしながらシルクハットをお腹に持っていきました。 「…………は、はい!初めまして!」  あまりにも綺麗で優雅なお辞儀にぼぅっと見ていた女の子でしたが、慌ててお辞儀を返します。 「うむ、そんなに固くならなくても良いよ」  女の人は上機嫌そうにシルクハットを被ると、雪兎はぴょこんとその上に乗りました。  どうやらそこが定位置の様で、雪兎も上機嫌にきゅぅっ、きゅぅっと鳴いています。 「…あの、その、えと…」 「ん?ああ、すまないね。自己紹介が遅れて。  私はこういう者だよ」     
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